イタリア産生パスタ用小麦粉「ファリーナ00」

生パスタ作りをはじめてしようと思った時によく聞かれるのが小麦粉の選び方をご紹介します。

小麦粉はイタリア語で「ファリーナ」と言い、主にパスタ作りに使う粉は「セモリナ粉」と「00(ゼロゼロ)小麦粉」の2種類があります。

イタリア人はどちらを使うの?とかどっちが美味しいイタリアンパスタになるの?という質問をよく頂きますが、イタリアの家庭でもどちらかだけを使うということはなく、作りたいパスタに応じて使い分けています。

まず00小麦粉(または00番小麦粉)とは、イタリアで一番細かく挽いた小麦粉のことを指します。日本とは違ってグルテンの強さ順に分かれていないので選ぶ際には注意しましょう。

00小麦粉として日本で売られているものの中には、パスタとニョッキ用、パン用、お菓子用、ピッツァ用などがあり、パスタ用は他のものよりもやや粒子が粗めの傾向になります。そのため、00番小麦粉という表示のイタリア産の小麦粉を探せば良いのではなく、「生パスタ用の」00粉を探すことが大事です。

たとえばもしピッツァ用の00粉でパスタを作ろうとするとパスタ用よりも粒子が細かいので水分を増やす必要があったり、グルテンが強く出るのでパスタ生地の縮みが出てしまう場合があります。

強力粉や中力粉、準強力粉でも代用はできると思いますが、00粉は日本の粉よりも粒子が粗いのでふるわなくてもサラサラで使い勝手がよいように思います。

手打ち生パスタをこねる時の材料:00小麦粉、卵、塩

またメーカーごとに粉の白さで生地の色合いも変わります。卵を加えて黄色の色合いをきれいに出したい場合は、できるだけ白い小麦粉を探すことも大事になってきます。

イタリア産のパスタ用の00粉は、メーカーごとの粒子の細かさに大きな違いがないのでどこのメーカーでもパスタ用を探せば、ほぼ同じ水分量で生地が作れます。

その一方でセモリナ粉は、どこのメーカーの粉を使うかで粒子の細かさに差があり、メーカーごとに水分量が変わるので注意が必要です。

セモリナ粉は、00小麦粉と違う品種であるデュラム小麦「FARINA DI GRANO DURO」から作られた小麦粉です。00小麦粉と違い、黄色い色味も特徴のひとつでイタリアではパスタだけでなく、お菓子作りでも使う粉です。セモリナ粉を使ったパスタは、粉の風味をしっかり感じやすく、もちもち感や弾力も00小麦粉とは違ってきます。

そんなセモリナ粉ですが、パスタ作りで使う場合は、粉の引き具合に応じて水分量をかえないと分量通りに作ったはずがベチャベチャの生地になってしまった!などと失敗談をイタリア料理教室でも伺うこと度々。それゆえ、パスタレッスンでもセモリナ粉のメーカーを変えるとレシピが変わってしまうので、いつも頭を悩ませる「セモリナ粉問題」があります。

でもセモリナ粉のパスタは、パスタマシンを使わないで手作業で成型できるパスタがたくさんあり、美味しい手打ちパスタには欠かせない小麦粉です。

セモリナ粉は、2度挽きされた「リマチナータ(RIMACINATA)」を使うと粒子が細かく、パスタ作りがしやすいです。粒子が粗挽きのセモリナ粉は、手でこねるには力も時間も必要です。

できるだけ粉末のセモリナ粉を探すのがおすすめです。

またイタリアのパスタは、地域や形によって粉を使い分けています。

小麦粉 生パスタ
セモリナ粉のパスタ オレキエッテ、キタッラ、マッケローニ、フジッリ、トロッコリ、スパゲッティなど
00小麦粉のパスタ ラビオリ、タリアテッレ、タリオリーニ、ラザニア、トロフィエなど
セモリナ粉と00粉のパスタ パッパルデッレ、ナストリ、ストラッポーニ、ピチなど
「生パスタ生地基本の3タイプ」まいにち食べたい手打ち生パスタレシピ本より。

参考文献「まいにち食べたい手打ち生パスタ」レシピ本より。

作りたいパスタと粉選びは重要ですが、大まかに頭においていただきたいのは、セモリナ粉は粒子が細かめを!00小麦粉は、パスタ用の小麦粉を!選ぶようにしてください。

コトコトパスタのパスタ教室でもオススメの小麦粉を使用してレッスンしておりますのでご質問があるようでしたらレッスンの際に聞いてください。

作りやすく、きちんと捏ねられる粉を探して手打ちパスタ作りを楽しみましょう!